保育推進研修会 報告

 

保育推進研修会/自由民主党本部3月12日、13日に自由民主党本部701号室にて「保育推進研修会」が開催された。参加者は全国から78名(うち熊本県より20名)。懇親会ではご多忙の中多くの熊本県選出国会議員の方々にご参加頂いた。

〈日程〉

3月12日(月)
  16:30〜17:30  研修①『時局講演』 
講師 衆議院議員 野田 毅氏
(自由民主党全国保育関係議員連盟会長)
  17:30〜19:00 交流会
3月13日(火)
  10:00〜12:00 研修②『保育行政の動向と課題』 講師 厚生労働省子ども家庭局 保育課長 巽 慎一氏

    『保育所保育指針について』 
講師 厚生労働省子ども家庭局 保育指導専門官 高辻千恵氏



 

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子ども家庭局保育課長 巽 慎一氏

〈研修記録〉

研修2『保育行政の動向と課題』
講師 厚生労働省子ども家庭局 保育課長 巽 慎一氏
  資料を元に保育行政の説明をされる。(資料別紙)最後の質疑応答では処遇改善Ⅱとキャリアアップ研修に質問が集中した。質疑応答と研修サマリーを以下に記す。

【質疑応答】

Q:キャリアアップ研修終了の有効期間は永久に良いのか?10年とかではないか?
A:有効期限は定めていない。研修修了者を作ることがまず大事と考える。幼稚園は更新制度がしっかりされているが、保育士は各地域で研修をされていると思うがそれを全国統一に体系づけるという試み。現在は有効期限を考えていないが、日進月歩に時代に合わせて変更される可能性もある。
Q:10年と言ったのは幼稚園の更新制度や指針の改定のスパンから。
A:今回15時間を作ったが、必要に応じて増減される可能性もある。有識者や事業者の意見を聞きながら修正していきたい。ただし、平成34年までは枠作り先行ではないかと思う。
Q:都道府県によって条件や解釈が変わってくるが、その辺りは?
A:都道府県ごとにバラツキがある事は認識、問題だと思っている。真面目に受けとめている都道府県ほど進んでいない傾向がある。都道府県単位より市町村単位の方が小回りがきくのでは。
Q:これまで各地域や、自園で続けてきた研修がある。幼稚園では自園研修も認めている。保育園でももっと柔軟に研修を認めて貰えるようにして欲しい。
A:各園、各地域で研修をされている事は認識しているが、熱心度に差があると思う。処遇Ⅱを処遇Ⅰのように自由配分で付けることも可能であったが、保育士資格に専門性を持たせる事が重要であると思う。幼稚園では幼児教育アドバイザーのように都道府県が認めた人から研修を受ければ園内研修も認めているが、Eラーニングなどの方法も含めて検討していきたい。まだ普及を目指している段階なので。
Q:2022年度より研修受講の必須化を目指すと書いてあるが…
A:2022年度までに各都道府県の受講状況を見ながら判断していきたいが、我々が一番問題だと思っているのは、「研修要件を課したことにより、加算が受けられなくなる」事がないようにと思っている。2022年以降に延期することも考えられるが、何かの目安をもって取り組まないといつまでも普及しないということになるので、一定の目安としての2022年度である。各都道府県へ8つの研修がしっかり開催されるよう働きかけていきたい。
Q:都道府県単位の研修をとの話だが、都道府県をまたいだ研修、例えば全国大会などは想定されるか?キャリアアップ非対応研修に参加が少なくなる懸念もある。
A:内容如何だとは思うが、基本的に人材確保の育成は都道府県であると思うので。ある一定の担保があれば厚生労働大臣が認定するということもなくはないが、現在では考えていない。

〈研修サマリー〉

最近新聞にも出たが、処遇改善等加算Ⅱの見直しを含めてご説明したい。
P.2 女性の年齢階級別就業率 M字カーブがだんだん緩くなっている。・・・結婚、出産後の就労の増加。北欧型に近くなりつつある。80% からのDカーブを目指している。
P.3 待機児童解消加速化プランH25(=加速化プラン開始と共に)よりトレンドが変わっている。
P.4 女性就業率と1・2歳児保育利用率の都道府県別状況…女性の就業率と1・2歳児保育利用率には正の相関がある。…地方の方が女性の就業率が高く、保育利用率も高い。北陸、中国の日本海側、九州>神奈川
P.5 女性就業率と保育園等の利用率の推移・・・1・2歳時の利用率の上昇→0〜5歳の利用率の上昇
P.6 待機児童解消加速化プランの期間において、利用児童数は都市部だけではなく、全国的に増加。それに伴い、保育所等の運営に要する費用についても全国的に増加。・・・東京都は2倍ちかく増加。
P.7 待機児童解消加速化プランH25〜取組状況。受け皿の拡大→女性の就業率も上昇
P.8 受け皿整備の状況・・・H25〜29で約59.3万人増加。認定こども園の増加、小規模保育の増加。地方単独保育施策の減少→認証等の認可化が進んでいる。・・・保育の質の担保P.9 受け皿整備の増加により2.7倍、12万人増

P.10 待機児童は都市部の問題。全国の8割の市町村は待機児童0。世田谷区・・・全国トップの待機児童数だが、昨年は待機児童減少。大田区や目黒区は増加している。・・・都市部の状況で待機児童数が違う。世田谷区は申込数がピークアウト?東京都の湾岸沿いの江東区台東区で待機児童が増加している。
P.11 年齢別待機児童・・・0、1・2歳の待機児童・・・非課税所得の家庭の保育料無料化を検討。沖縄県は認可外施設が多く認可化が進んでいない。〜待機児童が多い。
P.13 子育て安心プラン 平成30年度までに30万人の受け皿整備。・・・女性就業率が現在1%ずつ増加していることから、マクロベースで考えた結果の受け皿整備。
P.14 子育て安心プランの支援施策のポイント・・・1・2歳児の受け皿整備の土地確保、既存施設の活用
P.16 人材・・・都市部のみならず地方でもと認識。全職種、少子高齢化により求人倍率高い。中でも保育士の求人〜4月のピークが高くなっている。・・・人手不足
P.17 新規資格取得支援、就業継続支援・・・保育補助者の認定緩和+保育体制強化事業拡大、離職者の再就職支援
P.18 保育士数と処遇・・・常勤換算ベースで増加。増えているが需要に足りていない。賃金は(賃金構造統計)平成29年度は342万円+処遇改善と人勧により増加。
P.23 キャリアアップの仕組み・処遇改善のイメージ・・・都道府県別の事業+研修修了の効力有効化
P.24 保育士等のキャリアアップの仕組み・処遇改善見直し※H29にキャリアアップ研修が実施されていない都道府県が8つ→平成30年度から全都道府県で実施→平成32年までに必須化、8つの研修の均霑化(きんてんか)必須化・・・はしごを外される不信感を払拭
P.25 平成30年度における処遇改善等加算Ⅱの配分方法の見直し・・・副主任級の月4万円の20万円の配分方法の見直し。主任保育士を副主任保育士が逆転しないような手当。副主任が研修4分野〜職務分野別リーダーの取り扱いと支給額の乖離→職務分野別リーダー5千円の見直し。複数園の取り扱いの見直し→20%相当の配分可能に。但し2022年度まで。
P.26 若手職員の多い施設の配分例
P.27 定員規模に応じた処遇改善等加算Ⅱの加算対象者の人数及び配分方法
代替保育士、e-ラーニング化の検討・・・不正認定があってはならない
P.31 新たしい経済パッケージ・・・幼児教育の無償化・・来年夏までの結論。待機児童の解消

金子恭之氏、有村治子氏と
金子恭之氏、有村治子氏と
木原稔財務副大臣と
木原稔財務副大臣と